Vol.0368
税の世界も、IT化が進んできました。
例えば、電子申告。
大企業は、2020年から電子申告することが義務づけられます。
中小企業も、遠い将来、電子申告が義務化される日がくるのだろうと
予想されます。
税理士の目線からすると、電子申告ができるようになったからといって
目覚ましく効率的になったということは、少ないように感じています。
理由は、電子データが正しい内容かどうか
送信する前に、内容をすべて確認しなければいけないこと。
譲渡や相続税の申告の場合は
やはり紙で提出するしかないこと。
利用者識別番号や暗証番号など
特別に管理しなければいけないことが増えたこと
などです。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=361x10000:format=jpg/path/sd4fa06b5dd4c4bc6/image/i494ec0e57f6f7f14/version/1557397171/image.jpg)
さて、今年の3月下旬、国税庁より
「国税関係手続きの簡素化に向けた取組について」と称した
お知らせがありました。
内容は、従来、申告する際に添付していた一部資料については
今後、省略を添付してもいいということです。
例えば、所得税の確定申告で
給与の源泉徴収票を添付しなくてもよいということです。
このほかにも、配当の支払い調書や特定口座年間取引報告書などあります。
(ちなみに、電子申告する場合は、添付不要でした。)
お知らせの説明に
「納税者の利便性向上を図る観点から」と書かれてありましたが
果たしてそうだろうかと疑問に感じます。
結局、源泉徴収票などの原資資料がないと
申告できないので、資料を収集し、そのあと保管しつづける必要があります。
申告書を自分で作成するという点は変わりませんし
提出してしまえば、税務署側が原資資料を保管してくれたことが
逆に、納税者が責任をもって保管しなければならないので
目覚ましく利便になったといは
まだまだ言えないことでしょう。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=305x10000:format=jpg/path/sd4fa06b5dd4c4bc6/image/i519e7f9f7f179a6a/version/1557397461/image.jpg)
所見ですが、原資資料を提出しなくてもよいとの税務署の見解は
裏を返すと、それがなくても、納税者の所得状況を
確認する術がありますということがいえます。
ということは、「便利」になればなるほど
私たちの所得情報を隠すことはできないということです。
だから、申告しなければわからないだろうは
もちろんのこと、嘘いつわりの内容で申告しても
それは意味がありません。
筒抜けだからです。
もしかしたら、自己申告しなくても
一納税者の所得を把握することが
すでにできるようになっているのかもしれませんが
日本においては、所得税や法人税などは
納税者が自ら申告するというルールになっていますので
「便利」になった世の中だからこそ
正しい申告を実践していきましょう。
日に日に、天候が穏やかになって
事務所の窓から見える風景に
毎日、癒されます。
税理士法人みらいサクシード
代表税理士 小林花代
野々市事務所:石川県野々市市本町五丁目11番17号MKKビル4F
七尾事務所 :石川県七尾市なぎの浦79
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=310x10000:format=jpg/path/sd4fa06b5dd4c4bc6/image/i4f865e0b009565e0/version/1557397741/image.jpg)