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「納税者の利便性向上」が意味するコト

Vol.0368

税の世界も、IT化が進んできました。

 

 

例えば、電子申告。

 

 

大企業は、2020年から電子申告することが義務づけられます。

 

 

中小企業も、遠い将来、電子申告が義務化される日がくるのだろうと

予想されます。

 

 

税理士の目線からすると、電子申告ができるようになったからといって

目覚ましく効率的になったということは、少ないように感じています。

 

 

理由は、電子データが正しい内容かどうか

送信する前に、内容をすべて確認しなければいけないこと。

 

 

譲渡や相続税の申告の場合は

やはり紙で提出するしかないこと。

 

 

利用者識別番号や暗証番号など

特別に管理しなければいけないことが増えたこと

 

 

などです。

 

 

 

 

 

さて、今年の3月下旬、国税庁より

「国税関係手続きの簡素化に向けた取組について」と称した

お知らせがありました。

 

 

内容は、従来、申告する際に添付していた一部資料については

今後、省略を添付してもいいということです。

 

 

例えば、所得税の確定申告で

給与の源泉徴収票を添付しなくてもよいということです。

 

 

このほかにも、配当の支払い調書や特定口座年間取引報告書などあります。

 

 

(ちなみに、電子申告する場合は、添付不要でした。)

 

お知らせの説明に

「納税者の利便性向上を図る観点から」と書かれてありましたが

果たしてそうだろうかと疑問に感じます。

 

 

結局、源泉徴収票などの原資資料がないと

申告できないので、資料を収集し、そのあと保管しつづける必要があります。

 

 

申告書を自分で作成するという点は変わりませんし

提出してしまえば、税務署側が原資資料を保管してくれたことが

逆に、納税者が責任をもって保管しなければならないので

目覚ましく利便になったといは

まだまだ言えないことでしょう。

 

 

 

 

 

所見ですが、原資資料を提出しなくてもよいとの税務署の見解は

裏を返すと、それがなくても、納税者の所得状況を

確認する術がありますということがいえます。

 

 

ということは、「便利」になればなるほど

私たちの所得情報を隠すことはできないということです。

 

 

だから、申告しなければわからないだろうは

もちろんのこと、嘘いつわりの内容で申告しても

それは意味がありません。

 

 

筒抜けだからです。

 

 

もしかしたら、自己申告しなくても

一納税者の所得を把握することが

すでにできるようになっているのかもしれませんが

 

 

日本においては、所得税や法人税などは

納税者が自ら申告するというルールになっていますので

「便利」になった世の中だからこそ

正しい申告を実践していきましょう。

 

 

 

日に日に、天候が穏やかになって

事務所の窓から見える風景に

毎日、癒されます。